APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

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Product Manager Conference 2018に参加して感じたこと

先進サービス開発事業部のKunimoriです。
元ネットワーク・サーバエンジニア。現在は新規プロダクトの事業責任者としてチームメンバーと関連部署のみなさまに助けられながら事業を進めています。
直近1年くらいはプロダクトの営業を中心に数字を追う日々を過ごしています。

tech blogの間口を広げる目的でtechではないイベント参加ブログを書いてみました。

わたしの事業部のプロダクトはこちらです。


参加した目的

2016、2017に続いて3回目の参加です。
2016、2017は右も左もわからない中、チームビルド、アイデア出し、ものつくりの進め方、世にどうやって出すかなどのヒントを得るために参加しました。
2018は「どのようにしてサバイブし今そこにいるのか?」を聞いて明日からの自分の行動のヒントを得るために参加しました。
印象に残ったプレゼンテーションのメモや感じたことを記載します。
(Day1の途中までの参加かつ途中仕事で抜けたりしたので歯抜けの部分もあるかと思いますがご容赦ください。)


基調講演: 愛されるプロダクトを創るべき「3つの理由」

丹野 瑞紀さん プロダクトマネージャー・カンファレンス 実行委員

  • サイボウズ、ビズリーチを経て現在メルペイ
  • プレゼンテーション内容
    • プロダクトマネージャーの役割
      • エンジニア、デザイナーと共にプロダクトを開発する、データアナリスト、UXリサーチャー、マーケッターと連携してプロダクトを作る。
      • 事業目標を達成できるプロダクトを作る
      • 事業目標と機能の間に大きな溝があり、その溝を埋める架け橋を作るのがPM
    • 端的に
      • 打ち手の導き
      • PRD作成(Product Requirement Document)
      • エンジニアやデザイナーと協力して開発を進める
    • 顧客から愛されるのは必須条件、愛されるには?(写真)
      1.ビジネスモデル上の要請
      2.ソーシャルメディアの普及
      3.XXXXX(みなさんで一緒に考えていきたい)
      • わたしの考える3つめは、
        「プロダクトを通じてユーザの課題を解決し続けると共に至らぬ点についてはフィードバックをもらい、改善して関係性を長く続けていくこと。」

わたしが感じたこと
経営層(出資者)とメンバー(リーダ、フロント兼UXエンジニア、バックエンドエンジニア、テストエンジニア)とプロダクト、社会の空気、応援してくれる同僚、そしてユーザの間で負の感情を取り除き、プロダクトをとどまらせず前に進めていくことが、「事業目標を達成できるプロダクトを作る」という一言に集約されているように感じました。


未来を変えるプロダクト作りへの挑戦 ~FiNCの今までとこれから~

犬飼 敏貴さん 株式会社FiNC Technologies チーフプロダクトオフィサー

  • FiNC Technologiesのことをご存知ですか?
  • 100億円調達、AI人工知能、ヘルステック
  • プレゼンテーション内容
    • ヘルスケアに置ける最大のペインポイント
    • 三日坊主、続けられない、これが最も大きな課題
    • 継続の10のファクター
      • 短期の希望を満たすため、長期のバリューを毀損してしまう。
      • 継続性のある成果が最大の価値。FiNCは継続を科学
        • 理解
        • 競争
        • 視覚化
        • 信用
        • 報酬
        • 便利
        • 成果
        • 励まし
        • 個別最適化
        • 思わぬ偶然の発見
    • 高効率PDCA
      • FiNCはだわちのないところを走らなければならないので、高速に回すのではなく、高効率PDCAを回す
      • 精度の高い仮説立案を実施するのに必要なこと
      • 明確な目的、現状把握(ファクトからの)、変数理解(何が動くと結果に影響が出るか)、複数手段

わたしが感じたこと
「ヘルスケア」のペインポイントが継続であり継続が「最大の価値」と信じ、意思決定したこと、また継続の10要素を提唱しそれらをプロダクトに落とし込んでいる点で想像を超えた驚きがありました。 また、変数を理解し、複数の打ち手を検討できるだけの精度の高い仮説立案を実施している点も自プロダクトに取り入れるべきだと感じました。(泥臭い部分もあるだろうに。)


[対談] 食文化を支えるプロダクトマネージャーの仕事術

荒井 茂太さん 株式会社ノンピ 取締役
及川 卓也さん プロダクトマネージャー・カンファレンス 実行委員

  • Google Japan Food Managerを経て、現在株式会社ノンピ
  • プレゼンテーション内容
    • プロダクトについて
    • コミュニケーションを促進する(食を通じたコミュニケーションが事業を推進する)
    • Googleの社員食堂を作り上げた秘訣
      • カフェテリアを作った
      • 人が集まれば楽しい場つくり
      • キッチンがない状態だと、マグロの解体などで話題を提供
      • オフィスを移ってからは、8名テーブルを作った。
      • 面白いご飯、メニューってなんだろう?を議論した。
      • 手書きのアンケートをとって、毎週トラックしていった。来客数などをみてデータドリブン
    • 食べ残し問題
      • 一生懸命取り組んだ
      • ロスが多ければ質が下がる。食べ残しがあるとシェフが落ち込む
      • 食器を下げる際に(ホールの)スタッフが「今日は美味しかったか?」聞くようにした。食べ残しを意識させ見える化して生ゴミが50%削減した。
    • 健康促進に向けて
      • マイクロフード(オフィスグリコ等)でジャンクフードは置かない。もありだが、ゼロにはせず、水やお茶を見やすいところに配置。コーラやジャンクフードは目のつきづらいところに配置。人間はZのように商品を探す。
      • 売りたいものが目のつきやすいところに配置している。

わたしが感じたこと
心理的な観点、人間行動の本質的なところからアプローチして、生ゴミを減らしたり、マイクロフードの配置を変えてジャンクフードの販売を減らしたり、スタッフの声がけや配置変えで目的を達成する視点に気づきました。プロダクトでも、「最終手段でコードを書く(コードには不具合が潜むだめ)。可能な限りコードを書かずに目的を達成する。」みたいなところに通じるところがあると気づきました。


プロダクトマネージャーにもコーチは必要だ

鈴木 雄介さん グロース・アーキテクチャ&チームス株式会社 代表取締役

  • プレゼンテーション内容
    • 社会を支え続ける企業が持つ「IT」と「チーム」を繋げるお手伝い
      • PdM/POのコミュニケーション
      • 顧客サイドと開発サイドと意思決定者サイドと業務サイドとの真ん中に入る。
      • 成長するとコミュニケーションは増える
      • 顧客からの機能要望
      • 技術的な課題とコスト/スケジュール
      • 会社の方向性とプロダクトの方向性
      • 運営を効率的に回すための要望
        • コミュニケーションの偏りと認識齟齬が発生する
        • コミュニケーションの濃い、薄いが起こり、認識齟齬がおこる
    • 組織としてプロダクトマネジメントに取り組むことが重要
      • 共有するから自律的に動ける
      • リズムの共有
        • リードタイム、リリースサイクル、プロセス(締め切り駆動型)
      • ステータスの共有
        • アイデア、検討中、実装可能(開発レディの状態で開発にお願いする。)
        • 将来導入予定のものとかあればそれを想定して開発するからなるべく共有したい
    • KPIの共有
      • アテンション、売上、コスト、フィードバック(よかった、わるかった、ユーザの声)
      • 案件ポートフォリオ
        • 縦軸にフロント、バック
        • 横軸にコスト削減、売上向上
        • フロント/売上向上は非常に楽でわかりやすい
        • ただバックのコスト削減は難しい、よって考え方を共有すること。
    • 現状のプロセスを洗い出し、改善課題を出す、合意、業務に戻る。
    • キラキラした事例を持って帰って、さーどうすか?というところで多分おんなじようにやってもうまくいかない。
    • できるのはGoogleだから。自社でやるにはみんなで話し合い、議論することがもっとも重要

わたしが感じたこと
Product Managementをコンサルテーションしている会社。このカンファレンスは「キラキラした事例が多いが持ち帰って同じようにやってもうまくいかない、自社でやるにはみんなで話し合い、議論することがもっとも重要」のパンチラインが刺さりました。プロダクト、資金、チーム構成、プロダクトのマーケット同じものはない。チームとマーケットとプロダクトと向き合い、その中からチームで納得する解を見つけて進んでいかなければならないものだよな、と改めて認識しました。


ユーザーと両想いになるサービスの作り方

金田 悠希さん 株式会社エウレカ 執行役員 VP of Pairs Japan

  • プレゼンテーション内容
    • PairsのVP
    • 日本市場の国内最大級の恋愛/婚活マッチングサービス
    • 身の回りで恋人ができた、結婚した方? 2割くらい
    • 両思いになるための取り組み
    • リリース前:
      • オンラインデーティング、男女が出会うニーズがある。
      • 職場恋愛/お見合い、結婚相談所、出会い系
      • 市場は明確、絶対にある
      • どうやったら勝てるか?競合調査で3Cをどう活用するか。
      • ユーザの言葉でマルチな視点で 写真参照
      • 複合的にどういうサービスを考えるか?
      • 全部のニーズは満たせない
      • 世界で流行ってるらしいよ、は馬鹿にならない。
      • 先行事例に対する敬意と観察のスタンスは重要
      • 期待する価値、対する製品がマッチしているか?
      • ビジネス/サービスモデルに超革新的なモノなんてないんだから、真似していくことは重要
      • 面倒くさいことだったり、やりたくないことをやればいいんじゃないぁ/
      • 最初、PC版、スマホ版、アプリ
      • 課金性だったのをサブスクリプション化した。
    • リリース後:
      • 市場でNo,1じゃないとユーザは覚えてくれない
      • 市場が広がらないとNo,1でも世の見る目は変わらない
      • 出会い系やマッチング、ではない。オンラインデーティングであることの位置付け
      • 自身は後発だった。
      • プロダクトに乗ってることは真似する、マーケティング戦争でダーティーに勝つ。
      • ネットで出会うということへの不安が強い日本。「安心」 であることは常に重要な価値として守りながら成長を目指した。
      • 市場がクリーンであることは獲得効率のために不安を与えるクリエリティブを使わない。=> 女性にも支持されるようなクリエイティブ
      • CSや不正排除をコストではなくUXうぃお作るものと考える。=> CSのインハウス化とTechnology活用による不正排除
      • 真摯なサービス作りで生んだ出会いを世に発信する。=> 幸せレポート
      • 顔出しでどうしてサクセスストーリーを書いてくれるのか?Pairsを使って本当に良い人に出会った。きっちり出会えるように、不安を少しでも取り除けるように投資し続けた。あとはギフトカード。あとは書いてくださったお客様に直接会いにいって感謝を伝える。
    • 拡大期:
      • Pairsが目指すべきVisionを言語化して市場を焼き畑にしない。
      • かけがえのない人との出会いを生み出し、日本、アジアにデーティングサービス文化を定着させる。
      • 市場規模はたいして新k時参入サービスが増えてきているトレンド
      • これに対して我々の提供価値も見直していかなければならないフェーズ
      • 競合が参入してきて、ニーズの価値が変化してきている
    • 今、大事にしている考えかた
      • No.1しか使えない手で独自の価値を提供する
      • 競合の機能を見るのではなく、ユーザの求める価値の変化を吸収する。(競合の機能をつけない)
      • 結果が出ているというコミュニケーションだけでなく「安心」のための取り組みを世の中に発信
      • 情報を探すから、「見つかる」という体験へのシフト。発見の体験にシフト。量があるから提案できる。
    • 最後に最も伝えたいこと
      • ユーザの価値とは何か? をずっと考ええ続けていることだけが我々の変わらないスタンスです。
      • ですが、求める価値は時代によって変化します。変わることを前提に常にユーザと粘り強く理解していくことが少しでも振りむくことが重要

わたしが感じたこと

  • 「市場でNo.1」はランチェスター戦略ですかね。競合が多い場合はやはり市場シェアが重要だと思いました。
  • 「市場を焼き畑にしない。」にとても共感。きちんとVisionを言語化して「かけがえのない人との出会いを生み出し、日本、アジアにデーティングサービス文化を定着させる。」といった世界感を提唱し続けること。「出会い系やマッチング」といった「焼き畑」に一括りにしないところ、逆にこれをやらないと社会の認識がすぐに変わってしまうのだろうと思いました。

最後に

わたしは事業責任者(人事権のある組織長)でありプロダクトマネージャーとは少し異なる立場ですが、チームとプロダクトをデザインし価値をユーザに届け、事業を継続するといったミッションはほぼ同じだと考えています。プロダクトマネージャーカンファレンスでは同様の立場での苦労話しを聞いて共感したり、成功体験を聞いてこれから描く未来にワクワクしたりして暗中模索の状態から具体的な行動のヒントをくれ、アクションに繋がるモチベーションが得られるのでこれからも参加して行きたいと思います。もし同様のミッションを担っている方がいらっしゃったら一度参加してみると良いかもしれません。